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OpenAI、ChatGPTの学習データ方針とMedia Managerを公表
この記事で分かること: OpenAIがChatGPTなどのAI学習データをどう扱い、利用者とクリエイターに何が関係するのかを知りたい。
OpenAIは2024年5月7日、ChatGPTを含むAI製品の学習データに関する考え方と、クリエイターや権利者向けの新ツール「Media Manager」の開発方針を公表しました。利用者に直ちに設定変更が必要になる発表ではありませんが、AIがどのようなデータを学習に使うのかを理解するうえで重要な内容です。
一般のChatGPT利用者にとって特に確認したい点は、個人向けの無料版・Plusでは設定により今後のモデル改善へのデータ提供を管理できることです。一方、ChatGPT Team、ChatGPT Enterprise、API Platformの顧客の業務データについて、OpenAIはモデルの学習には利用しないと説明しています。
OpenAIが示したデータとAIの基本方針
OpenAIは、AIが情報を新たな形で扱うことで、問題解決や表現の機会を広げるべきだと位置付けています。その対象はAIの利用者だけでなく、作品や情報を生み出すクリエイター、報道機関を含む出版社にも及ぶとしています。
公式発表では、ChatGPTなどのAIツールが、ケニアやインドの農家の収量向上、創薬研究、行政職員の業務支援、教育、視覚障害のある人の移動支援などに使われている事例を紹介しました。画像生成のDALL·Eや、研究プレビュー中のSoraについても、アーティストから映像制作者までの創作を後押しするツールとして挙げています。
同社は、AIシステムがクリエイターとコンテンツ所有者の選択を尊重し、利益をもたらすべきだとの考えを表明しました。作家、アーティスト、ジャーナリストそのものになるのではなく、こうした職業の人々がより多くを創造し、達成するための道具を作ることに注力すると説明しています。
Media Managerとは何か
OpenAIが開発中のMedia Managerは、クリエイターやコンテンツ所有者が、自分が所有する作品を申告し、機械学習の研究や学習に作品を含めるか、除外するかを指定できるようにする構想です。対象には著作権のある文章、画像、音声、動画が想定されています。
公式発表時点でMedia Managerは開発段階であり、OpenAIはクリエイター、権利者、規制当局と協力して開発するとしました。また、同社は2025年までの導入を目標に掲げ、将来的には選択肢や機能を追加する計画を示しています。
ただし、この発表は、すべての権利者が直ちに利用できるサービスの開始を意味するものではありません。実際の提供対象、申告方法、作品の照合精度、地域ごとの扱い、利用条件などは、この公式発表で具体的に示されていません。
robots.txtによる意思表示と、その限界
ウェブサイト運営者は従来から、robots.txtという仕組みを使い、ウェブクローラーがサイト内のどの部分にアクセスできるかを示してきました。OpenAIは、AI向けのウェブクローラー権限の利用を先行して進め、出版社がコンテンツ利用に関する希望を表せるようにしたと説明しています。
同社によると、新しいモデルを学習させるたびに、こうしたウェブ上の意思表示を考慮しています。しかし、作品の作者が掲載先サイトを管理していない場合や、引用、批評、再編集、転載などによって複数の場所にコンテンツが現れる場合もあります。このため、robots.txtだけでは十分ではないという認識を示しました。
Media Managerは、この課題に対して、権利者がより直接的かつ大規模に意思を伝えられるようにするための取り組みと位置付けられます。OpenAIは、複数の情報源にまたがる著作権コンテンツを識別し、権利者の希望を反映するには、高度な機械学習研究が必要になるとしています。
ChatGPTの学習に使うデータの説明
OpenAIは、各世代の基盤モデルを新しいデータセットでゼロから学習させると説明しています。基盤モデルとは、文章生成、要約、質問応答、画像理解など、多様な用途の土台となる大規模AIモデルです。同社はモデルごとに、データの規模と多様性を大きく改善しているとしています。
学習データとして挙げた第1の種類は、主に業界標準の機械学習データセットやウェブクローリングから集めた、選別済みの公開情報です。OpenAIは、把握している有料購読の情報源、個人を特定できる情報を主に集約した情報源、方針に反するコンテンツ、利用除外を選んだ情報源を除外すると説明しました。
第2はデータパートナーシップを通じた非公開データです。OpenAIは、アーカイブやメタデータへのアクセスに関して提携し、Soraの学習に向けた画像・動画の大規模な非公開ライブラリーや、言語保存を目的としたアイスランド政府との協力を例に挙げています。純粋に公開されている情報だけを対象とする有償提携は追求しない方針です。
第3は、AIトレーナー、レッドチーム、従業員、そしてモデル改善を許可する設定の利用者から得る人間のフィードバックです。レッドチームとは、AIの安全性や弱点を検証するために、意図的に問題となり得る入力や使い方を試す担当者・活動を指します。
一般利用者が今日確認できる設定と注意点
ChatGPT FreeとChatGPT Plusの利用者について、OpenAIは設定から将来のモデル改善への寄与を管理できると案内しています。個人向けChatGPTを使う人は、会話内容が今後の改善に使われることを望むかどうか、自分の設定を確認することが実務的な対応になります。
業務情報や顧客情報を扱う場合は、個人向けサービスと法人・開発者向けサービスの違いを意識する必要があります。OpenAIの公式説明では、ChatGPT Team、ChatGPT Enterprise、API Platformの顧客データは学習対象ではないとされています。ただし、組織内の利用ルールや権限管理、入力してよい情報の範囲は、所属先の規程も確認してください。
また、設定でモデル改善への利用を管理できることと、入力した内容を無条件に共有してよいことは別の話です。パスワード、本人確認書類の番号、第三者の非公開情報、契約上持ち出せない資料などは、AIサービスに入力する前に必要性を慎重に判断することが重要です。
OpenAIは個人情報や機微な情報の処理を減らすよう配慮し、モデルが人物の私的・機微な情報を提供しないよう学習させていると説明しています。生データを安全に学習へ使うための処理や、データの洗浄、準備、生成を支援するAIの利用も進めているとしています。
出版社・クリエイターとの提携も進める方針
OpenAIは、ChatGPTを情報を見つけるためのより有用な仕組みにしていく方針も示しました。発表では、ChatGPT内の出典リンクを改善し、利用者に文脈を提供するとともに、ウェブ出版社が読者とつながる新たな手段を作る取り組みに触れています。
ニュース分野では、Financial Times、Le Monde、Prisa Media、Axel Springerなどの出版社との提携を公表済みだと説明しました。これらの提携では、ChatGPTでパートナーのコンテンツを表示し、ニュースに関する利用体験を充実させることを目指すとしています。
対象コンテンツは、関連する出版社コンテンツを表示しやすくする学習や、報道機関向けツールの改善に使われる場合があるとしています。
教育分野では、Khan Academyや英国のExamSolutionsとの協力にも言及しました。数学性能の改善を通じ、各団体がプラットフォーム上で個別最適化されたAIチュータリングへのアクセスを広げる取り組みを後押しする狙いです。
Agent Memories編集部の考察
今回の発表は、AIの学習データをめぐる議論に対し、OpenAIが「公開情報の利用」「権利者の意思表示」「提携による非公開データ利用」「個人利用者の設定」という複数の経路を示したものといえます。特にMedia Managerは、ウェブサイトを管理できない創作者にも選択肢を広げようとする構想として注目されます。
一方で、Media Managerの仕組みが実際にどの程度の作品を識別できるのか、申告と利用除外の手続きがどのように運用されるのかは、発表時点では明らかではありません。利用者は「新機能がすぐ使える」と受け取るのではなく、今後の正式な製品案内や設定内容を確認する姿勢が必要です。
ChatGPTを日常的に使う人にとっては、AIの回答を便利な下書きや調査の補助として使いつつ、重要な判断は一次情報で確認することが基本です。とくに健康、法律、金融、仕事上の意思決定では、生成結果をそのまま確定情報として扱わないようにしましょう。
よくある質問
Media Managerはすでに利用できますか?
この公式発表では、Media Managerは開発中のツールと説明されています。OpenAIは2025年までの導入を目標にするとしましたが、発表本文には具体的な利用開始日、対象者、申請手順は記載されていません。
ChatGPTの無料版・Plusでの会話はモデル改善に使われますか?
OpenAIは、ChatGPT FreeとChatGPT Plusの利用者が、設定を通じて将来のモデル改善への寄与を管理できるとしています。自分の扱いを確認したい場合は、利用中のChatGPTの設定を確認するのが適切です。
企業向けChatGPTやAPIのデータは学習されますか?
OpenAIの説明では、ChatGPT Team、ChatGPT Enterprise、API Platformの顧客の業務データはモデル学習に使用しません。これは公式発表で明記された利用条件ですが、各組織の契約内容や社内ルールもあわせて確認する必要があります。
robots.txtを設定すれば、作品利用をすべて管理できますか?
OpenAI自身が、robots.txtは不完全な解決策だと認めています。作者が掲載サイトを管理していない場合や、作品が引用・転載・再編集されて複数の場所に存在する場合があるためです。Media Managerは、こうした限界への対応を目指す構想です。
まとめ
OpenAIは、ChatGPTなどのAIが広く役立つことと、クリエイターや権利者の選択を尊重することの両立を掲げました。開発中のMedia Managerでは、作品をAI研究・学習に含めるか除外するかを権利者が指定できるようにする方針です。
一般の利用者が今できることは明確です。個人向けChatGPTを使う場合はデータ管理設定を確認すること、機微な情報を安易に入力しないこと、AIの回答は重要な場面で必ず確認することです。新ツールの詳細や提供条件については、公式の続報が出るまで断定しないようにしましょう。
公式出典・確認日
OpenAI公式情報を2026-09-03時点で確認しています。提供範囲・料金・画面は更新される場合があります。
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